エーザイは、患者様と生活者の皆様の喜怒哀楽を第一義と考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念としています。私たちの使命は患者様と生活者の皆様の満足の増大であり、その結果として売上、利益がもたらされると定款に定義していますが、この使命と結果の順序が、私たちが何のためにエーザイに集い働いているのか、という動機付けとなり、進むべき道を示しています。このヒューマン・ヘルスケア（hhc）理念はグローバルで活躍するグループ1万人を超える全社員に深く根付き、患者様の想いに応えようとするモチベーションが私たちのイノベーション創出の源泉となっています。

創業以来のイノベーションとして代表的なものは、アルツハイマー型認知症の治療薬「アリセプト」を世界で初めて世に出したことです。アリセプトの登場により、「認知症」は症状ではなく病気であるという捉え方が一般的になり、高齢化社会を迎えつつあった当時の日本において疾患概念自体を変える契機となりました。
そのアリセプトの誕生から25年以上が経過しました。この間、「次の薬はいつ出るのか？」と認知症の当事者様とそのご家族から問われ続け、全力で次世代の治療薬開発に取り組んできました。現在は認知症だけでなくがんや顧みられない熱帯病（NTDs: Neglected Tropical Diseases）などの領域にも挑み続けるとともに、今後数十年先を見据えて他産業との連携を通じた新たな挑戦もはじめています。

それが、薬が必要なくなる未来をつくること。

製薬会社が何を言っているのか、と思われるかもしれません。薬を続けて服用いただくことで継続的な売上が計上され事業が成長する、これが私たちの現在のビジネスです。しかし、私たちはいつの日か病気が治癒し、薬の服用をやめることができるように、また、未病の段階から手を打つことで病気を予防し、治療のための薬が必要なくなるように、そのような未来をめざしています。これは、hhc理念に基づき就業時間の1%を患者様とともに過ごす共同化の時間を大切にしてきたエーザイ、世の中の疾患概念を変えてきたエーザイだからこそ挑戦し続けなければならないことだと思うのです。

めざす未来を実現するためには、従来の得意分野だけではなくさまざまな領域のスキルや知見、経験が必要です。また今までにない新しい発想や着眼点、アナロジー（相似性）を備えた人財も益々必要となっています。私たちエーザイとともによりよい未来をつくることに共感し、自らの夢の実現に向けて主体的に参画いただける方を心からお待ちしています。