優しい心が織りなす、理想の職場環境。エーザイITエンジニアが語る、働きがいの本質
2022年に新卒入社した前寺 百合子。大学で情報系の学部に進んだことから「ITを幅広く担う仕事がしたい」という思いで就職活動を開始。私自身が治験に参加したこときっかけに製薬会社に興味を持ち、エーザイに出会ったと語ります。同社の優しい環境で伸び伸びと成長する前寺にIT専門職として働く魅力を聞きました。
クラウド統合からデータベース開発まで──和やかな雰囲気の中で幅広いスキルを磨く
私が所属しているIT統括本部テクノロジーセンター・システム開発管理グループでは、社内外のシステム構築や運用、またそれらに関する改善を担当しています。社外向けにはお薬に関するWebサイトやコンシューマービジネス部門の商品紹介サイトのインフラを開発している一方、社内向けには営業担当であるMRや製造販売後の安全管理を担うPVが利用するシステムを構築しています。
特徴的なのは開発を外部に委託せず、できるだけ内部で手がけているところです。メンバー自らが実際の開発を担えるので学べることが多く、私もこの方向性が気に入っています。
システム開発管理グループのメンバーは全7人。各メンバーが異なるプロジェクトでそれぞれの役割を担当しているので、チーム全体の業務範囲は多岐にわたります。しかし、忙しい中でもコミュニケーションをしっかり取ることが重視されており、チーム内は和やかな雰囲気。週に1回は上長主催の雑談会があるほか、日頃から社内SNSの活用も盛んで、リモートワークが多い中でもこまめにメンバーで連絡し合える仲です。
私は現在、社内向けのシステムを任されることが多く、主に3つのプロジェクトに携わっています。1つめはグローバルでのクラウド統合プロジェクトの立ち上げ検討、2つめはシステム内のデータベースのバージョンアップに伴う開発作業、3つめは社内のIT部門向けの開発標準化プロジェクトへの参画です。それぞれ任されている業務内容はバラバラで、プロジェクトマネージャー(PM)の補佐をやったり、実際の開発作業を手がけたり。要求されるスキルも異なるため、頭の切り替えに苦戦することもあります。
複数の業務を両立するために私が大切にしているのは、日々の業務に優先順位をつけることです。1日の中で複数の業務を連続して行うのはなかなか難しいこともあります。そこで「今日はこの案件に集中しよう」など、自分の中で計画を立てて業務を進めることを大切にしています。
加えて健康に長く働くために、「根詰めすぎないこと」も大切にしています。業務が立て込んでいると、目の前のことばかりに必死になってしまい、視野が狭くなってしまいます。そうすると、よりよいアイデアの妨げになってしまいます。そこで私は働く環境を工夫し、集中力を切らさずに長く働けるよう心がけています。
たとえば、私はリモートワークが多いのでどうしても運動不足になりがちです。そこで、作業を続けていて「疲れたな」と感じたら、部屋の中を歩き回ってリフレッシュするなど、意識的に体を動かすようにしているんです。仕事の合間に休憩を挟むことで、より効率よく業務に臨めていると感じます。

学生時代の興味が形になる。情報科学からエーザイIT統括本部へと続く道のり
私がプログラミングという技術を知ったのは、学生時代のこと。もともとパソコンなどの機械やテレビゲームが好きだったほか、兄が楽しそうにプログラミングをやっているのを見て、「自分もやってみたい」と思うようになりました。
そんな自身の興味から、大学では情報科学科へ進学。計算機について学び、本格的にプログラミングについて考える機会を得ることができました。初めて大学で触った言語はC言語で、授業を通じてプログラミングの基礎を体系的に学べたことは現在の業務にも多いに役立っています。
また、大学では研究活動も熱心に行なっていました。私の研究テーマは「スマートフォンの新しい操作方法について」。現在スマートフォンといえば端末の位置を固定し、指を動かして操作することが一般的ですが、「より細分化された操作ができるようになったらスマートフォンの新しい可能性が広がるのではないか」と思い、指を固定したままスマートフォン側を動かして操作する方法を検討していました。
私はこの操作方法に地動説を唱えたコペルニクスにちなんで「コペルニクスタッチ」という名前をつけ、ジャイロセンサーなどを駆使して実現する方法を模索していました。
大学での授業や研究を通してITへの興味を深めた私は、就職活動でもITに関わる職に就くことを軸として、企業を探していました。目指したのはいわゆるIT企業ではなく、銀行やゲーム会社などその他のこと主な業務として行なっている企業。そういう企業の方が「IT」という言葉が細分化されず広く捉えられており、いろいろなことに挑戦できるのではないかと思ったからです。
就職活動をする上でも、兄の存在は重要でした。実は私の兄は薬学部で博士課程まで進んでおり、製薬会社で働いていたんです。そこで兄に「製薬会社ってどんなところ?」ということを詳しく聞き、柔軟でおおらかな文化を持つ企業が多いことや福利厚生が充実していることを知りました。それをきっかけに製薬会社も視野に入れて就職活動をしていたところ、出会ったのがエーザイです。
就職活動をする上で製薬会社を視野に入れたのは、自身も薬の力の救われた経験があるからです。3歳の頃からアトピー性皮膚炎にかかり、学生時代も症状からくるストレスに悩まされていました。
しかし、大学生の時かかりつけの医療機関で「治験を受けてみないか」と声をかけてもらい、それを受けた結果、症状がみるみるうちに改善されたんです。「薬の力ってすごい!」そう思い、製薬会社も含めて就職活動をしていたところ、出会ったのがエーザイでした。
エーザイの選考を受けていく中でとくに魅力的に感じたのは、面接官の人柄のよさ。こちらの話をしっかり耳を傾けて聞いてくれるので話しやすく、十分に話を聞いてもらえた満足感がありました。
しかも選考中、面接について「話したいことを箇条書きにして、整理して話すといいよ」とアドバイスまでくれたんです。当時いただいたアドバイスは、今でも人前で話す時に役立っています。「こんな人たちと一緒に働きたい」という思いから、エーザイに入社することを決めました。
入社後は横断的にさまざまな取り組みに携わるIT技術者を集めた部門に配属され、3カ月の手厚い研修を受けました。研修でありながらスケジュールがぎっしり詰まっており、すべてこなすのはとても大変でしたね。しかし、当時の経験のおかげで効率的な質問の仕方やスケジュール管理のスキルが自然に身についたと思っています。

グループを超えた多彩なプロジェクト。柔軟な組織が育むITエンジニアの可能性
入社から2年以上経ち、振り返ってみるとさまざまな経験をさせてもらったなと感じています。中でもとくに開発業務に関わっていると、実際に手を動かして検証しながら開発を進めていけるので、自分が成長している実感を得やすく、ワクワクしますね。
たとえば、2年目の初めに関わったWebサイトのインフラ設定や構築では、Webサイトのリダイレクト設定をするためにAWSのLambdaサービスを使用して自身でコーディングに挑戦しました。Webサイトなので自分で書いたコードが正しいかどうか、すぐにわかることがおもしろく、うまくいった時は達成感が生まれました。日々さまざまな言語に触れるので、勉強は欠かせませんが、こうして成功体験を積み重ねていけることが自信につながっていると思います。
逆に自身のミスをきっかけに周囲に迷惑をかけてしまい、反省した思い出も。海外からのデータを高セキュリティシステムで受け取るプロジェクトだったのですが、私のちょっとした誤字を理由にうまく送受信ができなかったんです。原因究明のために各所のメンバーに迷惑をかけてしまい、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。
その時の経験を踏まえ、現在はツールを用いた比較や検索機能を用いた確認など、自分の目で確認するだけでなく機械でできるチェックをしっかり行った上で仕事を進めることを徹底しています。
入社当初思い描いていた「ITを広く捉えて、さまざまな経験をしたい」という希望は、十分に実現されていると思います。ただ与えられた仕事をこなす感覚ではなく、自身の興味に沿った仕事を任せてくれることもあるので、主体的にキャリアを歩んでいる感覚があります。
またIT統括本部には、私が所属するシステム開発管理グループ以外にもフロント開発部門やセキュリティ部門やプロジェクト推進部門などさまざまなグループがあり、それぞれのグループが分断されることなく、円滑にコミュニケーションが取れているんです。
だから、自分のメインプロジェクトに取り組むかたわら、別のグループと密に関わるプロジェクトに参画させてもらうことも。グループを超えた幅広いプロジェクトに携われていると実感します。
そして何より特徴的なのは、上長や先輩方がみんな「教えたがり」であること。わからないことを聞いてみると、みんな親身に詳しく教えてくれるので質問もしやすいですし、本当に頼りになります。
ワークライフバランスもとりやすいですね。IT統括本部ではフレックス制で働けるので、前日遅くまで頑張った日は朝ゆっくりはじめるなど、効率よく働ける環境がそろっています。

活動から生まれる「気づき」──ITエンジニアが体感する、患者様との絆
入社前から感じていましたが、エーザイで働く人たちはみんな優しいことが魅力です。仕事をしていても思いやりを感じることが多く、人間関係でストレスを感じたことがほとんどありません。hhc活動や企業理念に共感して入社してくる人も多いため、どんな部署の方も相手の言葉に耳を傾けられ、気遣いができる人ばかりです。
私はITという分野から製薬に関わっていますが、同期にはMRや工場で働く人たちもいて、彼ら・彼女らとの情報交換も非常に興味深いですね。とくに自分が制作しているWebサイトに関わるお薬について話が聞けると、自分の業務が患者様のお役に立てている気がしてうれしいです。IT統括本部内でもhhcに関するイベントや勉強会が開かれているので、積極的に参加することでエーザイの一員として患者様に寄り添いたいと思っています。
また、最近は後輩などと関わる機会も多く、OJTや社内インターンで新人の教育を任されることも少なくありません。私も先輩方のDNAを受け継ぎ、ちょっと「教えたがり」なところがあるので、自分で気づきを得てもらうために「教えすぎない」ことを意識して指導にあたっています(笑)。
私自身、まだまだ至らないところはありますが、エーザイに入って技術的にも人間的にも大きく成長できたと感じています。今後は、もともと興味があったセキュリティ関係の知識を深め、セキュリティの専門家として活躍するのが夢ですね。そのために現在任されている業務に取り組みながら、また新たな分野も学んでいくつもりです。
私が思うエーザイで輝ける人とは、優しい心を持った人です。ここで言う優しさとは、物事を第三者目線で考えられ、相手のことをよく思いやれる人のこと。そういう人はエーザイの文化にうまく馴染めると思いますし、活躍もできると思います。
IT統括本部も優しくて面倒見のよい先輩ばかり。自分に「成長したい」という気持ちがあれば、どんどん成長できる環境だと思っています。自分の可能性を広げたい方や成長したい方とぜひ一緒に働きたいですね。

※ 記載内容は2024年9月時点のものです