薬剤師から会社員、そして未経験のITへ。育児と両立してグローバルに活躍する理由

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安井 涼子 IT統括本部 ビジネスDX部 2020年入社(所属は2024年9月時点のものです)

薬剤師から会社員、そして未経験のITへ。育児と両立してグローバルに活躍する理由

薬剤師として病院に勤務して4年後、製薬会社へ転職した安井 涼子。4社目のエーザイで未経験のIT領域に飛び込みました。知識ゼロからスタートしたシステム構築の仕事で、苦悩の日々を乗り越えた過程、そして今、双子の子育てをしながらグローバルな場面で活躍する安井が見据える未来とは。

 

日本でもグローバルでも変わらないコミュニケーションの重要性

医薬品が世に出るまでの過程には、さまざまなシステムが関与しています。私はそのシステムの導入や運用に携わっています。担当は臨床試験(Clinical)と薬事申請(Regulatory)関連のシステムで、新規導入やアップグレード時のプロジェクトリーダーやバリデーションリーダー、システム稼働後の運用維持が主な役割です。

特徴的な点でいうと、私の担当領域では多くのグローバルシステムを導入しています。エーザイの各リージョンそれぞれで導入したシステムを利用していることも多いため、今後はグローバルで共通化することに向けて統合しようとしているところです。

ただ、それぞれの国の規制に合わせて運用していることから、シンプルに統合することは難しいと考えています。そのため、アメリカの担当者とディスカッションしながら、統合に向けてシステムを調整していく必要があります。

そのような業務に携わっているため、現在は日本とアメリカの両方に上司がいます。レポーティングラインが2つあり、片方は英語でのやり取りやドキュメント作成が必須。業務的に作業は増えますが、個人的には楽しいので負担には感じていません。

そんな中で日々感じているのは、コミュニケーションの重要性です。グローバルコミュニケーションはもちろんのこと、日本語での会話においても伝え方により業務に影響が出ます。聞き方ひとつで意図とは異なる答えが返ってきてしまう可能性もあるので、事前にどういう言葉が適切かを考えながら話しています。

一方のグローバルコミュニケーションについては、まだまだ英語力が不足しており苦戦することもあります。言語の壁を感じることもありますが、しっかり自分の意思を伝える必要があるので逃げるわけにはいきません。経験を重ねるうちにスキルアップするだろうと考え、臆せずにコミュニケーションを取るようにしてきました。

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病院での薬剤師から会社員へ転職。未経験のプロジェクトマネジメントで泣いた日も

エーザイは私のキャリア上では4社目にあたります。薬学部を卒業してからの4年間は、薬剤師として病院で働いていました。当時は「一生この仕事を続けるのだろう」と思っていたのですが、病院に製薬会社のMR(メディカル・リプレゼンタティブ/医薬情報担当者)の方が来る環境で、彼らと接していくうちに企業で働くことに興味を持ちました。

そこで転職を決意し、転職先1社目の製薬会社では、メディカルインフォメーションという学術部門でMRの支援を行っていました。5年ほど働き、次は外資系の製薬会社へ。CRM(顧客管理)システム支援の担当となりました。

それまで、薬学以外の領域はまったくの未経験でしたが、友人らと話す中で「こういうキャリアもあるのか」と挑戦してみたい気持ちが芽生えたのです。個人的に3〜5年のスパンでキャリアを見直そうという考えがあったこともあり、新しい領域に飛び込むことにしたのでした。

5年後、再びキャリアについて考える時期がきました。当時いた会社は外資系ということもあり環境変化が激しかったので、「もっと自分自身が社外の選択に目を向けたほうがいいのでは」と考えていたことを覚えています。そのタイミングでちょうど募集していたのがエーザイのIT部門。

前職は業務側の支援だったのでIT部門に所属していたわけではないのですが、やってみようと門を叩きました。IT領域はこの先必ず必要となる知識だし、知識やスキルを蓄えればどういった環境でも通用するようになる。それが一番の動機だったと思います。

入社してから1年ほどは、未経験のことばかり。いろいろな人からのOJTでネットワーク、サーバー、データベースなどのシステム構築に必要な基礎知識を一気に学びました。また、知識の面だけでなくプロジェクトマネジメントのスキルも必要になりましたが、ここは業務の中で習得していきました。

というのも、入社後すぐに大規模プロジェクトのプロジェクトマネージャーを任されたのです。さらに、それと並行して、開発プロセスの妥当性を検証し、文書化するCSV(コンピュータ化システムバリデーション)担当も兼任することに。良い経験になると思い引き受けたのですが、うまくタスクを回せずに悔しくて泣いた日もありました。

しかし、メンバーが多くのことを教えてくれたり、手厚くサポートしてくれたりしたので、その点では非常に助けられました。ときにチーム内で衝突することもありましたが、その相手が最終的には一番フォローしてくれるなど、理想的な環境で挑戦することができたと感じています。

当時の仕事において、病院で勤務していたことが自分の強みになったと感じています。医療現場の方とのコミュニケーションをスムーズにできるという点が、プロジェクトを進める上での自信につながりました。これまで身につけたスキルと新しいスキルを活かすことで着実にステップアップしていることが感じられたからこそ、大変な中でもやり切ることができたのだと思っています。

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育休明けのフルタイム勤務。気持ちの面でもストレスなく、助け合える環境がある

エーザイには2020年7月に入社し、現在は5年目です。プレイヤーとして経験を積んできましたが、毎回立ちはだかる壁を乗り越え、リリースに至ったときの嬉しさが大きなやりがいになっていると感じています。現在はプレイヤーとしてのスキルと並行して、コーチングスキルの向上にも目を向けています。

とくにCSVに関する知識については、グループの中でも一番詳しいという自負があります。CSVは作業の過程で、多くのドキュメントを作成する必要があります。データインテグリティの観点から、改ざん・偽造防止などあらゆる対策を講じる必要があり、また、検証時にエラーが発生すると作業を一時停止させ、エラーの解消とともに必要に応じてCAPA(是正措置・予防措置)の検討を行う必要があります。非常に骨が折れる業務です。

そんな大変な業務であるが故に、メンバーにレクチャーしたときに「おかげでよく理解できました」と言われると自分の存在意義を感じることができます。今後はCSVのみならず、さまざまな領域についてコーチングできる人財になりたいと考えています。

私がこうした展望を持つことができるのは、エーザイの働きやすい環境も要因のひとつだと思っています。私は昨年の9月に双子を出産し、その10カ月後に育休から復帰しました。育休明けは、時短勤務をするのかフルタイムで勤務するのか、2つの選択肢で悩みました。

しかし、私としては「仕事がしたい」という気持ちが強かったので、フルタイムで申請し、現在も同じ勤務形態で働いています。ただ、グローバルの会議は朝から夜まであり、日中も働き、子どもを保育園に迎えに行く……そんなサイクルを本当に回せるのだろうかという不安は当初、もちろんありました。

しかし、チームの中にも同じ境遇の人がいますし、周囲の社員も手厚くフォローしてくれます。裁量を与えてもらっているので、自ら働き方を調整することもできます。子どもの急な発熱で迎えに行かなくてはいけなくなっても、「行ってらっしゃい、気をつけてね」と声をかけてくれる。制度的な形だけの承認ではなく、気持ちの面でもストレスなく仕事ができています。

チーム内を見ても、男女関係なく、小さい子どもがいる社員は皆、お迎えに行っています。男性の部長もそのうちの1人ですね。製薬会社ということで外からは少し堅いイメージを持たれるかもしれませんが、フレキシブルに働く環境は整っています。チームでフォローし合って仕事を回している、非常にすばらしい環境だと感じています。

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次は私が人を伸ばす立場に。エーザイでかなえたい今後のキャリア

ゆくゆくの目標は、経営職に就くことです。最近はコーチングスキルを伸ばしているところですね。すでにチームの後輩社員にOJTを実施したことがあるので、今後も人財育成の経験を積んでいきたいと考えています。

これからエーザイに入社する方には、高いモチベーションを持って、しっかり未来を見据えながら「こういうことがしたい」という意欲を持っていてほしいと思います。ただ単に言われたことだけをこなすのではなく、ビジョンを共有して、一緒に会話していけるとより良い仕事ができるはずです。

私がエーザイで最初にプロジェクトマネージャーになったとき、一度ぶつかってしまった先輩が今では一番相談できる相手になっています。業務外でも近況を報告し合ったり、子育ての先輩としてもいろいろ聞かせてもらったり、非常に良い関係を築いています。本気で考えて話し合うことが、良い関係性にもつながってくるのだと思います。彼女には当時かなり迷惑をかけましたが、他部署にもかかわらず成長するきっかけをもらえたことに感謝しています。

3〜5年で次のキャリアを考えるようにしてきたことを冒頭でお話しましたが、丸4年経ったいま、エーザイを離れるという選択肢は持っていません。ここで得た知識や経験を活かし、今度は自分が人を成長させるポジションになりたい。それが一番大きな目標ですね。もちろん、自身のキャリアパスは最重要項目だと考えています。

私が目指している将来像は、どんな大変な状況でも落ち着いて、自分の非があったら認め、解決策を提示できる人財です。楽しく働ける職場にすることは大事だと思っているので、エーザイの働きやすい環境を保ち、さらにアップデートしていけるよう努力したいですね。

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※ 記載内容は2024年9月時点のものです

 

 

 

 

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