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薬の品質を守る“最後の砦”として——データ分析に携わる品質管理部の誇りとやりがい

生産管理・技術
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村松 彩夏 プロダクトクオリティ本部 日本・アジアリージョナル統括部 鹿島品質管理部 2020年入社(所属は2023年3月時点のものです)

“薬の品質を守るため、“小さな違和感”を手がかりに原因を究明

エーザイには、茨城県と岐阜県に製薬工場があります。私が勤務している茨城県の鹿島工場では原薬を製造していて、岐阜県の川島工場では、錠剤やカプセルなどの製剤化を行っています。鹿島で製造している原薬は、川島だけではなく、グローバルに使用されています。

鹿島事業所内は、製造部門と品質管理部門の大きく2つに分かれています。さらに、品質部門は品質保証に関わる組織と品質管理に関わる組織で構成されており、私は品質管理に関わる品質管理部に所属しています。部のメンバーは、社員と派遣社員をあわせて50人ほど。担当製品や分析試験の内容によってさらにチームが分かれていて、私のチームは抗がん剤を担当しています。

私たちの主な仕事は2つ。1つは製造部が製造した原薬を分析して品質をチェックする分析業務で、つくられた原薬が適切な含量で適切な品質であるかを理化学試験で確かめ、評価を行います。さらに、微生物試験も実施して、微生物学的に品質に問題がないかどうかも確認しています。

もう1つが、分析試験をより効率的に実施するための改善業務。分析試験は手順がきっちり決まっていて手順書としてまとめられています。国へ申請し、認められた方法をまとめているのですが、認められた方法の中で、運用に合わせてより良い方法に変えたり、わかりづらい表現を誰にでも理解しやすい適切な表現に修正したりしています。

この2つ以外にも、たとえば、他社に製造を委託するプロジェクトでは、委託先の会社との窓口として先方に分析試験の方法を伝えたり、結果を一緒に見て確認したり。試験で使用する機器の定期的な点検をすることもあります。こうして若手のうちからさまざまな業務を経験する機会を与えてもらえるところは、エーザイの大きな魅力だと感じています。

私が仕事をする上で大切にしているのは、安全・安心な製品をつくる上で、“品質管理部が最後の砦である”と自覚すること。そのきっかけになったのは、配属のときに人事の方がおっしゃっていた次の言葉でした。

「食品であれば、製品の品質が見た目や味や匂いなどに表れ、不具合があった場合も食べる人がすぐに気づけます。でも薬の場合、その品質は服用する人の目には見えません。製造工程での品質管理がすべてであり、どんな小さな問題も見過ごすことは許されないのです」

この言葉がずっと心に残っていて、自分たちが担う責任を日々意識するようになりましたし、試験工程や分析結果になにか違和感を覚えたときは、必ずチーム皆で納得できるまで原因を探すようにしています。

2村松さん

 

“なくてはならないものをつくる業界で働きたい。患者様第一の理念に共感し、エーザイへ

大学時代は、農学部で細胞を用いたタンパク質の機能研究を専攻していました。細胞を培養してタンパク質を発現させ、細胞にさまざまな刺激を与えることで未知の機能を探し求めていく研究です。

就職活動のとき、どの業界に進もうかと考える中で頭に浮かんだのが、「生活の中で“なくてはならないもの”をつくっている業界に行きたい」という想いでした。誰もが必要とするものに携わることで責任感が生まれ、仕事へのモチベーションが高まると思ったからです。

最初は食品や日用品業界も視野に入れていましたが、最終的に「これがないと困る」と思えたものが薬。そこで、製薬業界を志望するようになりました。エーザイを選んだ決め手は、患者様第一のhhc理念に共感したからです。また、患者様により近い位置でものづくりに携わって薬を届けたいと考え、研究職ではなく生産部門を選びました。

品質管理部のメイン業務は分析試験なので、入社後はまず分析試験ができるようになるための研修を受けました。実務に携わるためには試験項目ごとの認定が必要になるため、1つずつ認定試験に臨み、クリアした項目から順に実務を任せてもらえるというのが基本的な流れです。私が担当している品目では、1年間かけてすべての試験項目の認定を取得していきました。

1年目は、試験で発生するトラブルの原因究明に苦労しました。自分の操作、機械、原薬の品質のうち、どこに原因があるかの判断が非常に難しいんです。そんな中、「失敗しながら覚えていけばいいよ」と先輩方が温かく見守ってくださったことに救われました。

また、知見を身につける上で役立ったのが、部署内での情報共有です。何かトラブルが起こるたび、「このようなミスがあり、原因は○○でした。今後は皆で気をつけましょう」といった内容の教育訓練が都度行われます。テーマが違う他チームの事例でも自分の仕事に活かせることがたくさんあるので、共有された内容を一つひとつ咀嚼して理解し、機械の操作や分析試験に関するノウハウを蓄積していきました。

3村松さん

“2年目で後輩の指導役、3年目でチーム内の分析試験をチェックする立場に

入社2年目には、新入社員をマンツーマンで指導する立場になりました。後輩に仕事を教える中で、自分自身も理解しきれていないことがあると気づき、曖昧な部分については改めて先輩に教えてもらう──それを何度か繰り返すうちに知識が定着し、自分の成長にもつながったと感じています。

また、入社3年目の2023年3月現在は、チーム内の試験スケジュールを管理したり、ほかのメンバーが行った分析試験をチェックする側に回ったりする機会が増えてきました。以前は自分の業務をこなすのに精一杯でしたが、少しずつ全体を俯瞰する力が身についてきたと実感できています。

指導したり、周りに指示を出したりする中で気をつけているのは、相手の理解度を把握して伝え方に配慮すること。というのも以前、派遣社員の方に仕事を依頼する場面で、人によって伝わり方が異なり、頼んだ仕事が思うように進まなかったことがあったんです。そうした経験から、一様に同じ頼み方をするのではなく、相手によっては別途説明を補足するなど伝え方を変える必要があることを学びました。

前述したように、薬の品質は目で見てもわかりません。だからこそ、きちんと分析をして自信を持ってデータを示すことが品質管理部のミッションであり、それが仕事のやりがいにつながると考えています。

意思決定する上では、経験も知識も、データを見る力も豊富にあるに越したことはありません。エーザイでは、部署内の勉強会はもちろん工場間での情報連携などもあって、知識を修得する機会がとても多いと感じています。また、判断に迷う事項があったとき、最終的には「患者様にとって一番良い選択肢はどれだろう」という軸で物事を考える習慣があるなど、工場全体にhhc理念が浸透しています。皆が理念に共感し、確固たる判断軸として根づいていることも、エーザイの強みではないでしょうか。

4村松さん

“さらに信頼される“エーザイブランド”を築くために

日々の分析業務以外で、私がいまもっとも力を入れているのが、電子システム導入プロジェクト。社内のDX化の一環として、これまで紙に記録していた分析試験の結果をシステムで管理できるように切り替えることが目的で、約1年前から取り組んでいます。システム導入にあたっては、試験の運用手順の再整備なども必要になるため苦労もありますが、新しい試みに携わることにわくわくしますし、実際にシステムを使用する立場から意見できることにもやりがいを感じています。

今後のキャリアについては、入社からこれまでずっと同じ製品を担当しているので、ほかの製品にも携わり、知見を広げたいですね。また、ほかの部署で言えば、品質保証部の仕事内容にも興味があります。品質保証部は、私たち品質管理部の後工程で製品を確認する役割を担う部署。製品の適切なデータを取得することが品質管理部の仕事だとしたら、品質の良し悪しを最終的に判断するのが品質保証部の仕事です。“最後の砦”のうちでも本当の最終チェックに関わる業務だと思うので、いずれ挑戦できたらいいなと思っています。

どの部署で仕事をするにせよ、信頼される製品づくりやブランド構築に貢献したいという想いは変わりません。患者様が複数の製品からひとつを選ぶときに、「一番信頼できるから」という理由でエーザイの製品を選んでほしい。そのために、まずは品質管理部の一員として、適切なデータを自信を持って提供できるようになりたいですね。

エーザイの品質管理部には、小さな違和感に気づける感度の高い人や、違和感を放置せずに原因を突き詰めて考えられる人がマッチすると考えています。知識は入社してから身につけられるので、有機化学を専攻していなかった方でも心配はありません。一方、有機化学を専攻している方にとって、学んだことを業務に活かせる場面は多いはずです。

薬の品質管理という仕事は責任が重大である分、大きなやりがいや意義を感じられます。hhc理念に共感し、患者様に高品質な薬を届けたいという想いがある方と一緒に働けることを楽しみにしています。

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