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数字の先にいる患者様と向き合う——ひたむきにデータ解析に取り組む臨床開発職の想像力

研究開発
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山室 晋太郎 DHBL CEGフルフィルメント クリニカルデータサイエンス部 2019年入社(所属は2023年3月時点のものです)

“臨床試験のデータは単なる“数字”じゃない。解析担当として大切なのは……

私が所属するクリニカルデータサイエンス部では、臨床試験におけるデータ取得のための計画立案から、得られたデータの解析まで、データを扱う一連の業務を担当しています。

臨床試験とは、自社で開発している薬に関して、狙った効果が期待できるのか、人体にとって安全性が確保されているのかなどを、実際に患者様などに服用していただくことで確かめる試験のこと。そこで得られたデータをもとに、製造販売の承認を国に申請したり、医師の方々が処方の可否を判断したりすることで、皆さんに安心して薬を服用していただけるようになります。

 

臨床試験の計画ではまず、何をもってその薬に「効果がある」と言えるのか、副作用はどこまで許容できるのかといった基準を定めます。その後、実際に取得されたデータの解析では、臨床試験データをまとめ、解析しやすいかたちに加工し、事前に計画した統計的な手法を用いて、その薬に効果があるのかどうかを判断します。私自身は実際に医療機関に足を運ぶ機会はあまりありませんが、社内でそういった役割を担っている人たちと一緒にチームを組み、現場の情報を仕入れながら、試験計画や随時発生する問題の対応に取り組んでいます。

 

2023年3月現在、クリニカルデータサイエンス部に所属している社員は約20名。データ解析の工程ごとに大きく3つのグループに分かれて業務にあたっています。1つめは現場から上がってきたデータの入力ミス修正など、データをきれいに整え、臨床試験データのデータベースを作成するグループ。2つめは統計解析に関するプログラミングスキルを駆使して、データを解析しやすいかたちに加工し、統計解析処理するグループ。そして3つめがデータをどのように解析するか試験計画を立て、統計的な手法を選択し、解析結果を評価するグループです。このうち私は3つめのグループに所属しています。

私たちがデータを入手できるのは、臨床試験に参加してくださる患者様がいるからこそ。仕事の性質上、常にデータと格闘していますが、それらを単なる数字と見るのではなく、協力してくださった方々がいて初めて得られる貴重なものだと意識することをいつも心がけています。

 

2山室さん

“人柄や雰囲気の良さに惹かれ、エーザイへ。風通しの良い環境で成長を遂げる

私は高校生のころから医療に関する仕事に興味を持っていました。家族が歯科医をしていたこともあり、医療を通じた社会貢献についてイメージしやすかったのだと思います。ただ、大学進学の際には経済に強い関心があり、経済を学べる学部に進む道を選びました。

しかし、大学で経済を勉強する中で、学んだ知識を社会に役立てていくための道筋が自分にはどうしても見えてこなかったんです。そこであらためて進路を見直し、以前から興味があったもうひとつの分野、医療のほうへと進むことを決意。同じ大学内で医療関係の統計を学べる学部に籍を移しました。

卒業後は大学で学んだことを活かせる職場で働きたいと考え、製薬会社の統計解析の職種を志望。複数の製薬会社の選考を受ける中、最終的にエーザイを選んだのは、就職説明会や面接でお話した社員の方の人柄や雰囲気に惹かれたからです。自分の話す内容にきちんと耳を傾けてくれる印象があり、意思疎通がスムーズにできている感覚がありました。

 

臨床開発はチーム単位で行うもの。そこでは人間関係がすごく大事になると考えていたので、この会社ならうまくやっていけそうだと感じ、入社を決めました。入社して約4年経ちますが、就活当時の印象は今も変わっていません。社内の雰囲気がとても良く、先輩社員も優しい方ばかりですね。

入社後は、全体研修や職種別の研修を合計2週間受けてから、配属先での勤務が始まりました。1年目はOJTのかたちで、1人の新人に対し1人の先輩が付きっきりで仕事を教えてくれます。わからないことがあってもその場で聞くことができたので、とてもやりやすかったのを覚えています。

 

臨床試験には規制や決まりごとが多く、2年目以降もわからないことはたくさんありました。それでも、自分で判断できることが徐々に増えたり、統計の部署から単独で会議に参加して意見を言えるようになったりと、少しずつ着実に成長できていると思います。また、規制や統計の知識は常に更新され変わっていくものなので、先輩後輩を問わず、気軽に質問し合える空気が醸成されていて、とても仕事がしやすいと感じています。

若手の成長を後押しする環境が整っているのも、クリニカルデータサイエンス部の特徴です。たとえば、私は2022年10月から2カ月に及ぶアメリカ出張に行かせてもらいました。上司から「行ってみないか?」と提案され、絶好の成長機会だと思って快諾したものの、英語は不得意。出張までの3~4カ月は業務後の時間を英語の勉強に費やしました。

 

現地に入ってからも、自分が言いたいことをうまく伝えられなかったり、相手の言っていることがよくわからなかったりしましたが、なんとか2カ月間を乗り切ることができました。当時は必死でしたが、いまとなっては海外という新しい職場環境に身を置いたことはとても良い経験になったと思っています。

3山室さん

“未経験の疾患で試験デザインを先導。大きく飛躍した3年目

これまでの仕事の中で最も印象に残っているのは、3年目にとある臨床試験プロジェクトで自分が初めて主体となって計画をデザインしたときのことです。対象となる疾患について知識がまったくない状態でプロジェクトに参加したため、メンバーに教えてもらったり、提案した試験デザインにフィードバックをもらったりしながら練り上げ、無事に計画を立てることができました。3年目とは言えまだわからないことが多く苦労しましたが、先輩に教わったことや、学生のころに学んだ統計の知識などを活用しながら目標を達成できたことが、自信につながっています。

また、試験デザインに少し特殊な点があったため、医師の方に統計的な観点から試験内容について説明する機会も得られました。社外の人と接することが普段ほとんどない上、社内のメンバーを相手にするのとは勝手が違うため難しい面もありましたが、良い経験になったと思います。

2023年で入社5年目になりますが、病気で苦しんでいる患者様にとって解決策となるようなサービスを提供できていることは、今も変わらずやりがいになっています。エーザイでは、hhc理念のもと患者様第一の方針を掲げ、業務時間の1%を患者様と触れ合う時間に充てることを社員に対して推奨しています。実際に患者様の痛みや苦しみを分かち合うことを通じ、普段から患者様の存在を身近に感じながら仕事ができる環境はとても魅力的です。

また、エーザイは認知症の領域に注力しています。私の祖母は認知症を患っているのですが、同じような境遇の人たちは世界中にたくさんいるはず。患者様ご本人や周囲でお世話をする方々の力に少しでもなれたらと思っています。

4山室さん

“認知症と抗がん剤、ふたつの重点領域でリーディングカンパニーとなることを目指して

入社して丸4年を迎えますが、仕事ではまだまだ未知のことだらけです。地に足を付けて知識を吸収し、ゆくゆくは、まだ誰も試したことのない新しい解析方法や計画を立案できるような人材になりたいと思っています。エーザイでは現在、認知症だけでなく抗がん剤の開発にも力を入れていますが、その2つの領域で世界のリーディングカンパニーになっていくためにも、臨床試験にかかる期間を短縮してより多くの薬の有効性・安全性を確認できるようするなど、臨床試験の成功確率の向上に貢献していきたいですね。

統計解析の職種を志望している学生さんの中には、データや数字を扱うことが好きだからこの仕事に就きたい、と考えている人も多いと思います。それ自体、決して悪いことではありませんが、私たちが扱うデータは、患者様が半ばボランティアのようなかたちで臨床試験に参加してくださって得られているもの。だからこそ、「貴いものに向き合っている」という気持ちを大事にできる人と一緒に働けたら良いですね。

解析の仕事の中には、ともすれば雑務だと思われかねない単純な計算作業もあります。それも患者様に薬を届ける上で欠かせないプロセスだと考えることができれば、やりがいを持って仕事に取り組むことができるはず。数字の向こうにいる患者様の存在をしっかり意識すること──そこに、この仕事を長く続けられるかどうかがかかっていると思います。「患者様と生活者の皆様のために」というエーザイのビジョンと共鳴できる新たな仲間と出会えることを、楽しみにしています。

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