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データ活用で健康に貢献したい──数字から患者様や生活者様に想いを馳せるデータサイエンティストの挑戦

研究開発
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小林 千鶴 ヒューマンバイオロジーデータエコシステム部 2021年入社(所属は2023年12月時点のものです)

データ活用で健康に貢献したい──数字から患者様や生活者様に想いを馳せるデータサイエンティストの挑戦                           

2021年にデータサイエンティストとしてエーザイに入社した小林 千鶴。社内外のデータを活用しながら、疾患の予防に関するソリューション開発や医薬品の研究開発を推進しています。大学時代に統計解析を研究していた小林が製薬業界を志望した理由、データを用いて疾患の予防や予後状態の把握に貢献する研究について語ります。

デジタルバイオマーカーを用いて“自分では気づけない”を変える

私が所属しているヒューマンバイオロジーデータエコシステム部は、さまざまなデータを用いてヒューマンバイオロジーの理解を促進し、医薬品の研究開発やソリューション開発につなげることを目的としている部署です。

ソリューションの具体例のひとつとして、デジタルバイオマーカーが挙げられます。デジタルバイオマーカーとは、ウェアラブルデバイスやスマートフォンから収集した歩数やカロリーといった活動量や睡眠情報、バイタルサインなどのデータを用いて疾患の有無や状態の変化、治療効果を検知する指標です。従来は、来院時に行う検査を通じて収集された情報に基づいて判断が行われていましたが、今後こうしたデジタル製品から収集したデータを利用できるのではないかと考えています。

私がデジタルバイオマーカーの研究を通じて成し遂げたいことは、人々が自分では気づけない疾患や状態の変化を指標でタイムリーに把握し、行動変容を促す社会を創り上げることです。

健康に関する変化がわからないと、疾患発見の遅れだけではなく、人々が生活する上での不安や悩みの蓄積にもつながります。

私の妹には、まだ言葉でコミュニケーションをとるのが難しい年齢の子どもがいます。子どもが発熱して薬を服用させても、薬は効いているのか、体調はよくなっているのかなどがわからないと妹は悩んでいました。このように、自分の病状を伝えられない方などの変化をご家族や医療関係者がいち早く見つけられることも重要で、その手段の一つがデジタルバイオマーカーであると考えています。

私は当該部署の中で、4名で構成された小グループのリーダーを担っています。ここでは、リアルワールドデータ(※)や当社がこれまで実施してきた臨床試験に基づくデータなども活用しながら研究を進めています。

私は、前職で臨床データを扱っていた経験があります。そのため、グループ内で臨床データの解析に関する専門的な知識を共有し、データサイエンティストと臨床などの他部署との間を橋渡しすること、そして、社内外臨床データを用いた研究や活用方針の策定を円滑に推進することが私の役目だと思っています。

疾患メカニズムや薬剤については、他部署プロジェクトメンバーにも協力を仰ぎながら理解を深め、患者様と生活者の皆様のベネフィット向上に貢献したいと思います。

※ 実臨床の現場で得られるコホートデータやレセプトデータ、電子カルテのデータなどのこと

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大学で学んだ統計学と医薬品開発への興味が合致し、現在の道へ

大学在学中、医薬品の開発や研究に携わりたいという想いが強くなりました。身近な人の不幸に直面し、薬学・医学という分野で少しでも人々の健康に貢献したいと考えたからです。一方、薬学・医学という分野とはまったく異なる学部に在籍していたため、その接点を模索していた時期がありました。

そんな折に、統計学と医薬品とのつながりを知る出来事がありました。

大学2年生の時、研究室で『医学・薬学データの統計解析』や『医学への統計学』という本を見つけたんです。研究室の先生に、「今学んでいる統計データ解析の知識が、医薬品につなげられるんですか?」と尋ねると、「そうだよ」と言われました。私は大学院進学を決め、ベイズ法を利用した臨床試験デザイン設計に関する研究に取り組みました。

研究を進めるうちに、新しい医薬品の開発に貢献したいという想いが湧き上がりました。そして、就職活動では開発部門の統計解析職を志望。入社した前職の製薬会社では、主に医薬品開発における統計解析や疾患啓発に関する社内外データの利活用に取り組みました。

とくに印象に残っているのは、新薬の開発において日本・アメリカ・ヨーロッパの3地域における製造販売承認申請を同時にできる機会に携われたこと。私は、グローバルメンバーを含めた解析チームを取り仕切る総リードを担当し、最終的に新薬の上市までつなげられました。

グローバルな環境で解析作業を進められたことも特別な経験でした。決められたスケジュールの中グローバルな解析を行うには、タイムゾーンが異なる地域のメンバーと円滑にコミュニケーションしながら進める必要があります。頭を抱える出来事の連続でしたが、無事に計画通り完了できた時の達成感と喜びは今でも忘れられません。

また、アメリカへ出張した際には、海外メンバーは家庭を第一に考えて仕事を調整するフレキシブルな働き方をされていると実感。業務内容やメンバーのスキルだけでなく、生活スタイルや文化といった背景まで考えて、タスクの振り分けや期限の設定をすることの重要さを学びました。グローバルに事業を展開する当社でも、この学びを活かしています。

また、大事な場面では顔を合わせて話すことの大切さも学びました。海外メンバーとのメールでうまく意思疎通ができていないと感じる際は、テレカンファレンスを積極的に実施。面と向かって話すことで、相手の意図を把握しやすくなり、提案の合意や問題解決がスムーズにできることを経験しました。現在も、「ここぞ」という場面では「実際に顔を合わせて話す」ことを意識しています。

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多様な分野の専門家と意見交換し、ソリューション開発を見据える

医薬品開発に取り組む中で、薬剤によって疾患が完治する方もいれば、薬剤と共に予後を過ごす必要がある方もいることに気づかされ、疾患の予後や予防に興味を持ち始めました。

また、ひとつの新薬の上市を見届けたことに達成感を覚えたこともあり、疾患の予防や予後の領域にデータサイエンスで貢献したいと思い、転職を決めました。

当社を選んだ決め手は、製薬会社の中でもいち早くエコシステムを構築し、疾患に関する多様なデータやソリューション創出には欠かせない、社外パートナーが集積する“るつぼ”なのではないかと思ったからです。それらのデータやネットワークを利活用しながら自分の技術も高めていきたいという志がありました。

当社には多様な分野の専門家がいて、部署を越えてフランクに相談し合える環境があるのが魅力。入社後は、前述の通りウェアラブルデバイスを用いたデータの活用を模索してきましたが、社内にはウェアラブルデバイスやデジタルバイオマーカーに興味を持っている人が多く、当該部署のメンバーだけでなく研究・開発職やエコシステム内のさまざまなメンバーとも議論しながら研究の方向性を定めています。

現在進行しているプロジェクト以外にも、部署を横断したタスクフォースでデジタルデバイスの利活用について意見交換しています。各専門知識を持ったメンバーと交流することで視野の広がりを感じており、私もその中でデータサイエンティストとして少しでも役に立ててればいいなと思っています。

私がデータを扱っていておもしろいと感じるのは、データを通してその方の生活が見えてくるところ。データを眺めていると感情移入してしまいます(笑)。

たとえば、定期的にスコアが取られている臨床試験のデータを見て「この方は症状が和らいできている、よかった」と思うことがあります。また、ウェアラブルデバイスのデータでは、「このデータの欠測は、入浴中だからか。仕方ないね」とデータの取り扱いを検討します。日々患者様の生活に想いを馳せながら、データに向き合っています。

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データが集積する環境で、自分の武器を増やしていきたい

入社理由である“自身の技術を高めたい”という想いを抱いてエーザイでのキャリアに挑戦してきました。デジタルバイオマーカーの研究やその他のデータ解析の業務を通じて、その想いは「患者様貢献」という形になりつつあります。

直近の目標は、デジタルバイオマーカーを用いた疾患のリスク検知を、まずはある疾患で実用化できるレベルまで到達させること。その過程にはいくつもの乗り越えるべき壁がありますが、一緒に悩み応援し合える仲間とともに、研究の成果を患者様や生活者の皆様のお手元に届くソリューションという形にすべく邁進しています。

一方、デジタルバイオマーカーの活用の場は、ソリューションとしてだけでなく医薬品の研究・開発・生産の場と多岐に広げられると考えています。実用化先やターゲットとなる疾患を見据え、ウェアラブルデバイスデータやリアルワールドデータだけでなく、ヒューマンバイオロジーに基づくゲノムデータなどのデータにも挑戦したい。今は、まだ確立されていないデジタル技術によるゴールデンスタンダードの創造を夢に描いています。

また、徐々に会社の中でも中堅層の立場になってきているので、自分の研究に集中するだけではなくてグループやプロジェクトのマネジメントを行い、「小林さんだったら安心してチームを任せられるね」と部内外から思ってもらえるような立ち回りができるようになりたいと思っています。

さまざまな専門家が一緒に頭を悩ませて、部署を超えてひとつのゴールに突き進もうとする精神が当社にはあると思っています。自分が培ってきた専門知識を活かし、かつ周りのメンバーたちの知恵や技術を合わせながら目標を成し遂げたいという方に、ぜひ興味を持っていただけると嬉しいです。

※ 記載内容は2023年11月時点のものです

 

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